見上げる・見下ろす
           あき様 ご投稿作品
 
 
「たまには見上げるのも良いものだな」と、突然に父上が言った。

拙者には、いきなりすぎて何のことだか理解できない。

そんな拙者の心中を、表情から読み取ったのか、
ニヤリと口元を歪ませて、
二人が一つになっている部分をそっとなぞる。

「お前の顔を見上げるのは、こうしている時だけだからな」

頭の中が真っ白になるくらいの強い快楽にさらされながら、
そういえば、
拙者が父上を見下ろすのも、この時だけなのだとぼんやり思っていた